今熊野観音寺卍観音寺卍15番
西国三十三所観音霊場第15番目の札所
平安の昔、
東寺において真言密教の秘法を修法されていたとき、
東山の山中に光明がさし瑞雲棚引いているのを見られました。
不思議に思われてその方へ慕い行かれると、
その山中に白髪の一老翁が姿を現わされ、
「この山に一寸八分の観世音がましますが、
これは天照大神の御作で、
衆生済度のためにこの地に来現されたのである。
ここに一宇を構えて観世音をまつり、
末世の衆生を利益し救済されよ。」
と語りかけられ、
またそのときに一寸八分の十一面観世音菩薩像と、
一夥の宝印を大師に与えられました。
この時に老翁が立ち去ろうとされたので何びとかをたずねると、
「自分は熊野の権現で、永くこの地の守護神になるであろう。」
と告げられて姿を消されました。
大師は熊野権現のお告げのままに一堂を建立され、
みずから一尺八寸の十一面観世音菩薩像を刻まれ、
授かった一寸八分の像を体内仏として納め、
奉安されたのが当山のはじまりです。
一千二百年の長きにわたって衆生を利益し続けておられます。
またこ の時に大師が、観世音をまつるのにふさわしい霊地を選ぶために錫杖をもって岩根をうがたれると霊泉が湧き出しました。
大師はこの清涼なる清水を観音御利生の水として崇められ「五智水」と名付けられました。
爾来今日に到るまでこんこんと湧き出し、私たちに深き恵みの水をお与え下さっています。
鳥居橋
子護弘法大師
大師堂の前に立たれるぼけ封じ観音
私たちをとりまく心や身体のぼけを取り除いて下さる観音さま
稲荷社と熊野権現社
本堂